ホーム > プロが教える10倍楽しい登山方法! > 登山中の水分のとり方について
ずいぶん、暑い日も増えてきました。
徐々に夏に向けて季節が移り変わっている感じがしますね。
このような季節になってくると、やはり気をつけなくては
ならないのが水分補給です。
通常なら「喉が渇いたな」と水分を取れば良いのですが、
登山になると大量の汗をかくことも多いです。
そもそも、喉が渇いたと感じた時点で、すでに体から
水分が失われている状態と考えたほうが良いでしょう。
そして、水分を補給してすぐに体に行き渡るわけではありません。
体が潤うまでには時間もかかります。
こうしたことから、山では熱中症にかかる方も毎年いらっしゃいます。
やはり、水分補給のタイミングが少し遅くなってしまうのですね。
自分ではいつも通りにしているつもりなのですが、
思った以上に汗をかいていたり、思った以上に体の水分が失われて
いるということもあります。
あなたもこれからの季節には十分にお気をつけ下さい。
しかし、お気をつけてとお伝えしても、やはり
「どのタイミングで水分を補給すればいいのか」
「のどが渇いてからじゃ遅いって、どうすれば?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今日は水分補給のルールをお伝えしておきます。
これを守っておけば、水分不足で体力を大幅に消耗してしまったり
熱中症になるということも、いくらか防げると思います。
まず、ポイントが4つあります。
[1] 自分が必要だと思う水の量よりも多めに持っていく。
[2] 20分おきくらいには水分補給、と決めて実行する。
[3] 下りが楽だからと安易に考えず、水分補給をする。
[4] なるべく水が望ましい。
という4点です。
1点目は、やはり大は小をかねると言います。
足りなくなるよりは、多めのほうが良いと思います。
また、予想外に登山に時間がかかったり、予想外に暑かったりと
山では想定外のことが起こることも多々あります。
準備を万全にするという意味でも、水は多めに持って行きましょう。
2点目の20分おきに水分補給、というのは、
カッチリきっちり20分ということではありません。
だいたい、20分から30分に1回は水分補給をしましょう
という意味です。
先に書いたように、「のどが渇いてから」と考えていると
タイミングが遅れる可能性が高いのです。
なので、きちんと決めて摂取するようにしましょう。
その際の量も、一口だけ、ではなく
しっかりごくごく飲んでおくことをおすすめします。
そして3点目の、下りでも水分補給、ということ。
登山はつい下りで油断をしがちです。
ですが、登りと同じように下りも足を動かして歩いている状態なのです。
体力も消耗しています。
なので、水分補給を怠らないように注意してください。
最後の4点目。
飲むものは水がいいです。
やはり、お茶やコーヒーなどは利尿作用があるので
トイレが近くなりますし、水分も抜けやすいです。
それよりは、水のほうが良いでしょう。
時々、スポーツドリンクでも良いですか?と聞かれる方が
いらっしゃるのですが、できれば避けたほうが良いでしょう。
というのも、スポーツドリンクには糖分が含まれています。
汗で失ったナトリウムなどを補給できるという意味では
スポーツドリンクが一見良さそうに思えるのですが。
ただ、この糖分がクセモノで、体に水分が吸収されるのを
防いでしまう働きもあります。
なので、もしスポーツドリンクをお持ちになるのなら、
半分くらいに薄めて持って行きましょう。
スポーツドリンクばかり摂取していると、上のような理由から
意外と水分補給にならないこともあるのです。
このように水分補給について書くと、過剰に心配になり
今度は逆に水分を摂り過ぎてしまう方もいらっしゃいます。
水分の摂り過ぎは体が冷えるので、疲れやすくなります。
また、程よく体の中の水分バランスが保たれていないと
尿になり、トイレが近くなってしまいます。
こうしたことから、過度の摂取にもご注意ください。
楽しく登山をしていただくためにも、正しい知識を持って登ってみてくださいね。